井上萬二 窯
有田焼ろくろの第一人者で、人間国宝の井上萬二さんの作品からは、凛とした気品があふれています。
終戦後、酒井田柿右衛門工房で技術を磨くとともに、ろくろ師の奥川忠右エ門師に弟子入りした井上萬二さん。
「形そのものが文様」と語る井上萬二さんは、一切の加飾に頼らず、その造形だけで厳しく白磁の神髄を追い求めてきました。
白磁は平凡な形が一番難しいといいます。
「陶芸にはテクニック、センス、人間性の一体化が必要」なのだと井上さんは語ります。
また、「伝統は古いものをそのまま作るのではない。新しい技術を付け加え、50年後、100年後の伝統にすることも大切。」とも語られています。
『井上萬二窯』では、息子さんの【井上康徳】さんと共に、華やかな絵付けが中心の【有田焼】の中、白磁に徹する独特の作品を生み出し続けています。
また、日本国内はもちろんのこと、海外でも教鞭をふるい後進の育成に力を注がれています。